尿道・腎臓・副腎についてQ&A
Q・血液検査をしたところ、犬の腎臓の働きが悪いそうです。BUN、CREAの数値がともに基準値よりもやや高く出ました。
食事療法としては、たんぱく質を控えるようにと言われましたがもともと食事にむらがあり、食べないことも多いので、サプリメントや飲み薬で補えないかと考えています。犬種はMIX(ラブラドール+日本犬)で、体重17kg、11歳の去勢済みオス
A・専門家の回答
慢性腎臓病は、腎臓の機能が年とともに落ちてくることで起こってくる病気です。
そして、今の医療では、腎臓の機能の悪化を回復させる手段はありませんが、腎臓の機能を悪化させる因子として、リンと、蛋白尿が言われています。
ですので、この2点について気をつけていけば、最大限に腎臓の機能を維持していくことが可能です。
リンは、具体的に5以上になってくると、腎臓に石灰化をおこし障害していきます。ですので、その場合は、リンの吸着剤をサプリメントでとるといいです。
製品としては、リーナルマックスや リーナルプロが挙げられます。蛋白尿については、尿検査で蛋白が継続して出ている場合は、それを防ぐために、ACE阻害剤という種類の薬をのみます。 製品としては、フォルテコールや、エナラプリルが挙げられます。
こちらは、尿蛋白を診断してから飲み始めます。リンの吸着剤も、リンが高値でなければ必要はないので、血液検査次第です。
BUN、CREの値は、腎臓の機能を示す値ですが、重要なことは、BUN、CREを維持することではなくて、上昇したときに起こりうる症状を緩和することです。ですので、BUN、CREが上がっているから療法食が必要とか、サプリメントが必要ということではないですし、療法食をはじめたから、BUN、CREが下がって、腎臓の機能が長持ちするということではないので注意が必要です。
ですので、まず使用するなら、リンの吸着剤ですが、それも血液検査次第で、リンの値が上昇しているのであれば、使用をおすすめします。
Q・最近犬のおしっこの色が濃く感じ、臭いもきつくなった気がしますが、どこか悪いのでしょうか?
A・専門家の回答
尿の色が濃くなって、においがきつくなる場合、膀胱炎の可能性があります。細菌が尿道から感染して、細菌性の膀胱炎となる場合もありますし、膀胱の中に結石ができて、結石が膀胱粘膜を傷つける結果、膀胱炎が起こってしまう場合もあります。
ともに全身に症状が出にくく、元気な子でも、膀胱炎を起こしていることはよくあります。膀胱炎の症状の一つに多飲多尿があります。よく水を飲んでいるのは、膀胱炎の一症状である可能性もあります。他に疑われるものとして、肝臓の病気があります。尿が濃い黄色の場合は、ビリルビンという赤血球の代謝産物が尿中に出てきている可能性があります。肝臓わるいと、ビリルビンをうまく肝臓で処理できなくなり、尿中に出てくることがあります。
その場合、全身が黄色くなる黄疸の状態となります。わんちゃんの白目の部分をみて黄色っぽいなら、黄疸となっている可能性がありますので、動物病院に見せる必要があります。問題がない可能性もありますが、膀胱炎は比較的良く起こる病気で、ほかっておくと重傷化してしまうこともありますので、ご心配でしたら、やはり動物病院さんにご相談いただくのがよいかと思います。ペットのお薬 フィラリア ノミダニ